●江戸和本●国文世々の跡 国津文世々の跡 伴蒿蹊 安永6年 国学 和文文章史

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国文世々の跡〈再考〉[国津文世々の跡]
【判型】大本3巻3冊。縦264粍。
【作者】伴蒿蹊(資芳スケヨシ・閑田子・閑田廬)作。
【年代等】安永3年6月、小雲泉東縁信跋。安永6年4月刊。[京都]堺屋嘉七板。
【備考】分類「国学」。3巻3冊。国学。伴蒿蹊著。安永3年刊。和文の文章について例文を掲げて説明・論述したもので、和文文章史の研究書としては最も早い書。総説を「題言十条」として、問答体に記述する。国文を書く人の少ない理由を問うに、まず歌人が歌のみに関わって文をおろそかにしていることをあげ、以下、男性は真名文のみを書き、仮名文は女性が書くという説を否定し、また、漢文をも学ぶべきであることを教え、歌と文との相違を言う。文体を古体と中昔体(中古体)と近体の3つに分類し、文章を学ぶにはまず中昔体を学ぶべしと教える。古体の例には祝詞宣命を、中昔体の例には紀貫之の「大井川行幸和歌序」と『枕草子』を、近体の例には向阿の『帰命本願抄』、逍遙院の「長享三年七月日、姉小路相公之室家逝去哀傷、侍従亜相被贈十詠」の詞書、および「答姉小路宰相基綱卿」、一条兼良の『藤川記』、季吟の「幡山十景和歌序」、契沖の「古今余材抄序」を挙げる。「仮名書牘之条」は、中古物語に見える仮名書状について、「訳文之条」は漢文の和文訳について述べる。安永6年刊本は以上に頭注を加えた再考本である(「日本古典文学大辞典」参照)。
★原装・題簽付・状態並み(小虫)良好。記名なし・蔵書印「五十嵐甚蔵圖書記」あり。五十嵐甚蔵は大正-昭和時代前期の実業家。明治6年4月27日生まれ。家は新潟県笹岡村(笹神村)の地主。新発田銀行頭取であった大正10年,第四銀行と合併し頭取となる。新発田倉庫,新潟新聞の監査役,新潟県地主協会会長をつとめた。14年貴族院議員。昭和10年6月28日死去。63歳。慶応義塾卒。初名は直彦。参考価格(出品時の相場):日本の古本屋で、3冊揃いが、32,。下巻欠2冊が、25,】。

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